はじめて読んだよしもとばなな作品は、
TSUGUMIだったか…
キッチンだったか…
でもたぶんキッチンだったと思う。
暇を持て余してた小学生のあたしが、
ねえ、なんか読む本ないの?
と母にたずねたら、出してくれたのだ。
それからずっと、彼女の本を毎回楽しみに読むのだけれど、
いつも変わらず、読んだ後すっとする。
最近のを読んでも、キッチンみたいな、ごく初期の本を読んでも、
変わらない。
あらためて読んだら、ほんとうに、この人の表現が私の中にしみこんでるんだなあ。
と思って笑ってしまった。
先日、母の友人Aさんに宛てたメールの中で私は、
-母は生よりも死の方と仲良くなってしまって…
という内容の文を書いたのだが、
なんとキッチンの中にその元ネタが!
-…だれよりもわかりあえた妻は、もう、私よりもパイナップルよりも、死の方と仲良しになってしまった。
オカマのお父さん、えり子さんが、まだ男だった時のことを話してくれるシーン。
ガンで末期の奥さんが死ぬ間際ののことを話しているところ。
意図せずして、全く同じ表現…。
すげー。無意識にしみこんでる!
と、なんか感動してしまったのでした。
主人公みかげが、その奥さんの話を思い出しておもったこと
-でも、今は、吐きそうなくらいわかる。
なぜ、人はこんなにも選べないのか。
虫ケラのように負けまくっても、ご飯を作って食べて眠る。
愛する人はみんな死んでゆく。
それでも生きてゆかなくてはいけない。
小学生のときは、昔のみかげみたいに、ピンときてなかったけど、
34歳の今、
このみかげのおもったことが、すごくわかるようになっていた。
どんなことがあっても、生きてる限りどうにかなるし、
どんな状況であっても、
どうにか生きていかなくてはいけないのだ。
なんで急に読みたくなったのか分かんなかったけど、
私の中のどこかがこの本を欲してたみたいだ。
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