BLOGについて

このサイトでは、私が今までに綴ったブログを全部まとめてあります。

2006年の7月、まだ美容室に勤務していた時のものからあります。ですので関連記事などで古いものが混ざって出てくるかもしれません。

毎日更新!を掲げて頑張っていた時もありました。(内容は非常に薄かったとおもいますが…)

基本的に、私の日常をただダラダラと綴っているものですので、笑って読み流していただけると幸いでございます。

ナーバ流しに行ってきた!

先週、5/24に 茨城県は行方市で江戸時代から行われているちょっと変わった神事を見学させてもらった。その時のお話です。

ナーバ流し とは何ぞや?

ナーバという言葉も聞き慣れないし、

しかもそれを流す??

言葉だけでは全くイメージができない。

調べてみると、ナーバ というのは 苗束が訛ったものらしい。

苗というのは、稲の苗。

なんで 「流し」なのかはよくわからない。

豊作を祈願する神事で、行方市の蔵川地区で江戸時代から代々行われているそうだ。

現在は毎年5月の24日。田植えも無事に済んだ後に行われる。昔は違ったのかしら?

五穀豊穣・子孫繁栄を願っての神事。

具体的に何をするかというと、

田んぼの脇に 藁で作った男性器と女性器を吊るして 風に揺れて接合する様を 田んぼの苗たちに見せる というもの。

苗がそれをみて興奮(発情)して 豊作になるのを願っているのだ。

斬新すぎる発想である。

藁にもすがる…思いだったという事ですよね。この神事が考えられた当時は。

霞ヶ浦周辺は、五穀豊穣・子孫繁栄を願ったお祭りで こういった性的な行いをするお祭りが多い。

木で作られた男根が出てきたり、

大根で男性器・女性器を作ったり…。

この間行ってきた へいさんぼうもそうだ。

その辺のことはこちらにまとめてあります。

へいさんぼうに行ってきた話
5月5日、こどもの日に 茨城県はかすみがうら市で昔から行われているお祭りに行ってきました。 へいさんぼう へいさんぼう とは? 一説には、平左の女房 がなまって へいさんぼうになったという話も。 また、平三=平産 坊=男根という説もあるらし...

どのお祭りも、飢饉だったり 疫病があったりして 子孫を繁栄させるためにどうにかしようと考えだされたものだ。

その中でも、ナーバ流しは異色だなあ。と思うのです。

そして、行って初めて知ったのだが 田んぼに立てた後は、一年後までそのままにして自然に朽ちるに任せるのだ。

あのシュールな光景が年間通して見られるとは!

しかもさー、ずっとあったら 苗も興奮どころか見慣れちゃうよね。とかさ、

無事に実ったあと、刈り取られて誰もいない田んぼの脇に佇むナーバ流しの性器たち…。とかさ、想像するとなんだかおかしい。

さて、そんな感じで 大体の概要は掴んでいたけれど 実際どうだったか お伝えしていきます。

寳泉寺にて

ナーバ流し自体は、御船神社(みふねじんじゃ・わたしはずっとおふねだと勘違いしてた)の神事。

だけど、御神体の制作は、近くの寳泉寺で行われる。

Googleマップでは出ないんだけど、麻生東小学校裏手の 大和地区館(2023現在臨時休業とマップでは出る)を目指していくと辿り着ける。

大和地区館 行方市蔵川438

細い坂の上に、蔵川地区防災倉庫があるので目印になる。車はその辺りに停められる。

私たちが着いた時はすでに氏子の方達の軽トラがたくさんあった。どうでもいいが、全員軽トラだったと思う。軽トラ所有率の高さよ!!

お寺なんだけども、外観は公民館といった感じ。

10時過ぎくらいに着いたんですけどね、実はちょっと緊張してて、

作ってるところ見たかったんだけど 

よそ者だしなあー。どうしよう。どう見ても軽トラしかないし、見学者誰もいないのかも。

なんてちょっともじもじしてしまって、

見学者として来る予定の知り合い(この間のへいさんぼうで仲良くなったお姉さん)が来るのをつい待ってしまった。

今回は私だけでなく、麻のハ堂あみこさんも巻き込んで。

2人で車内で待ちながら、

ねえ、あの人カメラ持ってるから見学者かなあ…。

車も軽トラじゃないもんねえ。

意外とここ(駐車場)から上の様子見えないねえ。

どうする…?行く??

いやぁー。迷うねえ。

私たち着物だし、絶対怪しいよねえ…(じゃあ着るなよ)

そんな問答を繰り返しながら周囲を観察してた。

そうこうするうちに、お姉さん登場。

お友達も一緒なので、後についてく形で私たちも寳泉寺に向かう。

着いたら、ちょうど御神体は完成して 移動の準備をしているところだった。

積み込んだ御神体を、わざわざ出してくれた。

しかもお茶までくださった。

優しい…。グタグタ言ってないでもっと早くくればよかった。

おおー!これが噂の!!

作りたてほやほやである。大きさは50〜60センチくらいだろうか?

さっきも言ったけど、あんまりお寺っぽくない作りだけど 卍マーク発見。

周りは遊具の残骸があって、なんだかこれはこれで雰囲気がある。

鉄棒もよくみると歪んでる。

昔はここで子供たちが遊んでたんですね。

いよいよ設営。

ここからナーバ流しを行う場所までは、徒歩5分くらい。御神体を乗せた軽トラ2台を見送り、我々は徒歩で。

めっちゃいい天気。

この軽トラに全てが詰まってる。

虎の巻

鳩サブレの缶の中にどうやら秘伝の虎の巻(設計図)があるみたいなんだけど、

他にも蔵川地区の人たちはたくさん資料を用意してて

雑誌の取材記事や

新聞記事などをまとめたものなどが

めっちゃ綺麗にラミネートしてある。

そしてびっくりしたのが

ナーバ流しに訪れた人のブログなどもプリントアウトしてあって 資料として活用されていたこと。

ナーバ流し でエゴサーチされてる!!笑

衝撃!

氏子のみなさんが日々エゴサして印刷してるかと思うと胸が熱い。

私が行く前に場所など参考にしてた方のブログも印刷されていた。

確かに写真も載ってるし、貴重な資料だよね。

氏子の人たち

ナーバ流しは氏子の人たち(と、氏子OBの方)だけで行われていて、若い人の姿は無い。

基本的には氏子になってからやり方を伝えられるものということで、若い人にあらかじめ技術を伝えていくものではないと言っていた。

氏子の任期は三年間。

でも年に一回しか作らないし、やはりやり方も忘れてしまうので 資料がとても役に立っているようだった。

また、技術を伝えるために 氏子の任期が終わった方も手伝いに来て教えてくれる。

おりゃあ4年目だから今年はよく出来た!と笑うおっちゃんがいた。

そんな感じで、みんなでああでもないこうでもないと話しながら作業は進み、

縄みちかいんじゃあんめか?(訳:短いんじゃないのか)

と言って長い縄(半分にして撚り合わせるので10メートル必要な所なのだが 5メートルしかなかったらしい)を用意しなおしたり、

井戸つけるの忘れてたー!

(竹を)立ててからじゃ届かねーべよ。

と、一旦立てた竹を下ろして井戸・手桶・ササラの3点セットを付けたり

トラブルがあってもなんとも穏やかな感じだ。

いよいよ合体。

角度がむずかしーんだ。

んだなー。

こんくらいだっぺ。

今は風に揺れて合体。というよりは、あらかじめ合体させた状態に針金で固定してしまう。

がっちり、いや、ずっぽり?合体なさってる。

大事なもんつけんのわすれてたー!と。

タマをつけ忘れていたらしい。

今回はひとつだが、2つタマをつけてた時期もあるようだ(毎年見学に来ているおっちゃんの話)。

氏子は3年交代だけど、

毎年見に来ている見学者のそのおっちゃんは 3年以上来ているので その場にいる氏子の誰よりもナーバ流しについて詳しくなっててちょっと笑った。

ナーバ流し評論家って名乗っていいと思う。あの方。

私たちも毎年行ってたら詳しくなれるかしら…。

完成。

完成したので、御神酒と塩を捧げる。

竹の根元にかけたあと、

御神体にもかけんだっけか??と。

みんなでしばし考える…。

塩はよー、しみっちゃーべよ。

確かに、性器に塩と考えるとそりゃ沁みるよね。酒はまあいいとして。

神様であり、そして自分たちの身体の一部でもあるからこその発想だよね。物質としては、藁なんだから沁みるも沁みないもないんだけど、擬人化して考えたくなるあたり 日本人だなあ。と思う。

結局お塩もちょろっとかけて、

みんなで御神酒をいただいて

手を合わせて 無事終了。

氏子の皆様、おつかれさまでした!

そして快く見学させてくださってありがとうございました。

来年は朝8時に伺います!笑(去年の御神体の撤去作業から始まるらしい)

ちなみに去年の御神体は…

10メートル先くらいに放置してありました。笑

諸行無常…。

今年も豊作でありますように。

おまけ

氏子の方達を見送って、私たちもお腹すいたねー。と ご飯を食べに行きました。

向かったのはすぐ近くの

お食事処 福田屋さん

アレ…??なんか軽トラがたくさん停まってる…。もしやこれは…

氏子の皆さんも勢揃いでお食事されてる所でした。

天丼とお蕎麦のセット。かなりのボリュームで安い!しかも食後にコーヒーまでサービスが。女子は食べきれない量かも。食べ切ったけど。

みんな帰ってからも真剣に撮影する私。

毎年来ている方も、いいカメラで真剣に撮ってらっしゃって

ちょっと御神体を揺らして

シャッタースピードをこだわって撮ったりとか

うーん!変態だね!!(めっちゃ褒めてます)って感じで最高だった。

この方からも新たな奇祭情報を得たので また行ってみようと思う。どんどん広がる奇祭の輪!

見学者のみんなで、設営の間雑談してて 気になったことが一つ。

右?左??

ナーバ流しの御神体の奥が神田。

今回は神田に向かって左側に男性、右側が女性だったんだけど、

見学者の間でザワザワ…。

田んぼに神様がいるとして、そちらに見せるんだったら逆なのかしら?

いやでも向かって左右のコレで良いんじゃないか?

うーん。結婚式の立ち位置も左が新郎だよねえ。(私)

お雛様ってどうなってるんだっけ?

関東は向かって左側が男雛で右が女雛、関西は逆だよ。

あれ?じゃあ天皇陛下はどっちだっけ…

その後調べてみたら、

かんさいのおひなさまは朝廷の儀式に習い、紫宸殿(ししんでん)を背にして左側に男雛を飾るとのこと。

ということは、ナーバの場合神殿を紫宸殿と例えれば向かって右側に男性ということになる。

資料だと右って書いてあるのもあるんだよね。

そして関東はなぜ逆になったのかは、

昭和天皇御即位の礼で天皇陛下が皇后様の右側にお立ちになったことから、そのスタイルを取り入れ、それ以来、右側(向かって左)に男雛を飾るようになったという話。

西洋の風習を取り入れたということね。

欧米のマナーは右上位、日本は元々左上位。ただ、どっちに向かってというのがあるから混乱する。左と右の研究はこれからも続きそうです。

嬉しそうなじぞあみ。

ご飯食べた後、ここでインスタライブ jizoamiラジオ室もやりました。

ナーバ流し、百聞は一見に如かず!

文字だとよくわかんないので 動画にもしてみましたー。よかったら観てね♪

最後までご覧くださりありがとうございましたー!

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